恋の広場 ホテル編

過去の恋物語 25歳 ファミレスウェイター時代

「dabuさん!エロ本貸してください!」が口癖でデブのK君。 いつでも異性に興味津々。。

K君と僕は互に「男はつらいよ」の寅さんに憧れる世田谷のモテないKKコンビだ。
なんとか彼女を作ろうと、ホットドックメンズノンノなどチャラ系雑誌をバイブルに
ジーンズメイトに服を買いに行ったり、無謀なナンパに挑戦したり。
エロビデオを交換しあったり、 だ。

ある日久しぶりにやってきたK君がきり出した。
「dabuさん!いい話もって来ましたよー」


コンパだか紹介だかで知り合った女の子とその友達を誘い今夜ドライブに行こうという話になっているという。
「dabuさん 男女2,2です 。。。どうです?」
「おおおおお!!!イクイクイク==ッ!」 


しかもなんと相手は高校生らしい。。。 
す、すごいなK君。。。いつの間にそこまで腕を上げた。。。?? ちょっと嫉妬。 
「その子たちはお笑い好きだそうですから、いつものように面白くしてください。お願いしますよ!」


その夜さっそくK君の車で女子高生に会いに埼玉方面に出かけた。

既にK君と知り合いになっているB子が待ち合わせ場所にやって来た。K君と同じポチャリ体系だ。
友達のA子はまだバイト中ということなので、彼女がバイトからあがるのをカラオケボックスで待ちながら 、笑らかしゃいいんだろ? と、手始めにカラオケネタを披露した。

そうこうしてるうちにようやくA子が現れ、その瞬間目が点になった。。
「うおおおお!可愛ぃいいい!!!!!」 
カッコも今風の遊んでそうなギャル。。。 
・・・だ大好きだ====!!!

ずっと氷河期を過ごしてきた僕にとって、ドッキリじゃないか?と疑うほどだ。

これって、毎晩家で一人悶々と問うていたアレじゃないのか・・?

「この世の中、僕の知らないところで何かすごいパラダイスが行われているに違いない」
「世間の若者達は僕が手に入れられないものをいとも簡単に手に入れてるんじゃないのか?」と

しかしそのパラダイスが今まさに僕の目の前に!!

期待と緊張の中、車は4人を乗せて箱根方面走り出した。
こんな可愛いギャルと話できるんだろうかという不安をよそに会話は進み (どうやらドッキリじゃないようだ)と、ようやく実感が沸いてきた。
そして観察していると、なるほど女の子達はドライブがしたくて、夜遊びがしたくて、男と遊びたくて、好奇心がいっぱい。 その旺盛な好奇心と行動が直結しているようだ。 
そしてスポーツカーはホントにナンパ必勝アイテムなんだな 。
なんて単純なんだ。。。

いや!
単純さで言えば僕も同じだ。
ただ彼女達にくらべて本能のままに動く行動力や勇気がないだけなのだ。
学ばせてもらったよ、人生 。
そして彼女達の飽くなき好奇心は常に面白いことを求めている。
僕とK君はそんな二人を笑わすため一生懸命ギャグをやった。 人生の勝ち組になるために。

箱根に着き、峠で車を留め星空の下に出てみると、ドライブ中はキャアキャア騒いでた女の子達はなぜか急におとなしくなった。
こ、これは。。。「ムード」 ってやつか?

B子とK君が既にセットのようなもんだから、必然的にA子と僕がセットかい?この状況は?。。。フフフ
隣でA子が寒いと言っている。。。
これって。。。 くっつきあうための女の子からのお膳立て?  
寒いからわたしを包んで暖めて とゆー謎かけなのかい? 
迷うダブ 人生の岐路。。。
しかし今日も意気地無し。。。
(くそう!!! 一生ドーテーでいろオレ!!!)

その後、すぐに埼玉に戻ってきた。
しかしここから更に押せ押せの展開が待っていた。
どういう経緯からかいつの間にかホテルに行こうという話題になっているのだ。
言いだしっぺはイケイケA子。
(ホ・・・ホテルに行こうだぁああああ?!!??!)
ナ・・・ナゼなんだ!
僕は何もしていないのに、、、ただ流されてるだけなのに、、、ナゼこんなに都合のいい状況になるん?
人生誰にも一度は来る「黄金期」ってやつか??・・・

K君は「それはまずいよ」、と言ってホテル行きをやめるよう説得している。
(このバカっ!気まぐれオレンジロードやBOYS BEの見すぎだ、何かっこつけてやがる・・・)
彼女達は「ホテルってどんなトコか行ったことないから行きたい行きたーい」と言っている。
僕は(そうだそうだー! 押せ押せーA子!) とこの展開に胸を膨らました。 
あっちだよ と道を教え出すA子。すでに場所を把握している、、、 旺盛すぎるよ!好奇心が(涙

そしてついに車はホテルに入ってゆく(dabu黄金期突入。。。)

今、目の前で起ってる事は
いつも家で悶々と自問自答していたアレだ。。。

「この世の中、僕の知らないところで何かすごいパラダイスが行われてるに違いない」
「世間の若者達は僕が手に入れられないものをいとも簡単に手に入れてるんじゃなかろうか?」

その答えが今明かされようとしている!

ホテルの部屋入ると電話が鳴りだした。
出ると4人で入るのはダメだ、追加料金が必要だという内容で仕方なく追加料金を払った。

しばらくカラオケをしていたがすぐに飽きてマイクを放り出すA子。。。 
(フフフ。。。そーだよねぇ だってここに来た目的はカラオケなんかじゃないもんねー ) 
こっちもカラオケ楽しんでるふりしてるだけで頭ん中は既にてふてふ飛んでるさ。。。フフフ
さぁ!これからは大人の時間じゃぁああああああああああああ!!!!!!!

BちゃんはホテルについてからK君にくっつき「好きな人いるの?」とか
ウルウルと熱い視線を向け明らかにK君が好きだという雰囲気を醸し出している。
そうかBちゃんはK君と添い遂げたいのだな♪
そっちで出来上がれば必然的にこっちが組になる いぃぞおぉ!!!
一方K君は「・・・いやいや・・・いやいや ・・・まいりましたな」と煮え切らない。

A子が「・・・あたし眠い・・・」と言いベットに入り布団に潜り込んだ。。

(キタぁああ==!!!!!)
布団の中で何してるのだろう?・・・寝たふりかい?
僕をベットに誘う作戦かい?。。。さっき箱根で寒いと謎かけしたように  フフフ。。。
このままほっといたら
「なんだよここまで状況作ってるのに肝の小さい男だなぁ」 と思われるのだろうか??
それなら期待を裏切るわけには行かない 

しかも向うのBちゃんはK君と添い遂げたいようだし、ここは男として、Bちゃんのためにもこちらが先に先例をつくってあげねば。

俺は武士だ!
お寝間の用意までされて手篭めにせぬようでは国は盗れん、やる時はやるのだ!
と意を決して、不二子ちゃんに飛び込むルパンのように。
ぴょーんとベットに潜り込んだ。
「A子くんは寝とるかな? どーかな?」と、もぞもぞしていると。
その光景におとなしいBちゃんとK君はビックリしてオロオロしている。
(この場に及んで怯むでないK!)
しかしK君はすっ飛んできて怪力で僕を引っぺがした。
「ダブさんダメです!ダメです!」 慌てふためき叫んでいる

そして「僕たち帰るから朝になったら自分たちで帰って」と
僕をひっぱってそのまま車に向かいだした。
「俺だけ残る」と言いたかったが 諦めて僕も車に乗った。


やはりKKコンビ
今日も寅さんのように自ら背中を見せて去ってゆく・・・