恋の広場 にこたまナンパ編
過去の恋物語
●ハタチの冬。。。
街はクリスマスの飾り付け一色になり、カップル達が目立つようになるその時期。
一人身の僕にはみな眩しく輝いて見える、、、、、
狭い部屋の中で僕は夜な夜な自分に問うていた。
「この世の中、僕の知らないところで何かすごいパラダイスが行われてるんじゃないだろうか?」
「世間の若者達は僕が手に入れられないものをいとも簡単に手に入れてるんじゃないだろうか?」
何しろあちらこちらにその痕跡はある。
たとえば知り合いのO!
Oは最近ニコタマ(二子玉川駅)でナンパして彼女をGETしたらしい。
!!ナンパで彼女ができる!??
衝動が僕を動かす.....
「行かなきゃ!今すぐニコタマに!!!」
というわけでダチのWと一緒にO御用達スポット、ニコタマにナンパに出かけた。
駅周辺の人混みの中をウロウロと物色すること30分。
なかなか声をかけられない、、、
「あのコはどう?」、「いや他のコにしよう」と声をかけるコをWと協議する。
他のコ判定がでると声をかけなくて済むので内心ほっとする(小心者。無論心臓バクバクだ)
二人でギャグやバカ話を言い合いながら無理やりテンション上げてなんとか自分を励ます。
意を決して声をかけたが、次々と秒殺。。。
諦めそうになるのをこらえ、自分に言い聞かせる。
「出来る俺は出来る俺は出来る俺は出来る!俺は出来る!」
駅前で制服の二人組みを発見!
「俺は武士だ!合戦だ!」と気合を漲らせ突撃した。
すると気合が通じたのか女の子二人は話しに乗ってくれた。
話しながらあらためて見ると、、、か、、、かわいい。。。
ちっちゃくて小動物っぽくて、ロングヘアーで制服にダッフルコートを羽織った姿、。。。
正に毎日絵に描いてる理想の女の子そのものじゃないかぁぁああああ!!
(画像参照)
こんな可愛い子がナンパで!??
その瞬間僕の頭の中に恋の広場が広がった。
こんな可愛いコと付き合えたら僕はもう人生の勝ち組だ!!!
既に付き合うことを想像している。
フェラーリ手に入れたくらいの成功者だぁ!!!
河原に行ってみよということになり人混みを離れて行く。暗いほうへ。
僕はボロがでないよう必死に会話する。
だってホントはナンパなんかできるキャラじゃない。。。
女の子と話すのは苦手な小心者のド=テ=やろー
「なんだこいつら、シャバ増じゃねーか!?家で投稿写真でも見てな!」
などと思われないようにここは必死に仮面を被る。
しかし所詮はメッキ、すぐに剥がれボロが出る。
女子「この辺は美味しいいいお店とかありますかー?」
ダブ「うーん。。。えーとー。。。」
(し、しらなぃ。。。考えたこともない。。。)
女子「地元なんですよね?知らないんですか?」
ダブ「い、、いや、、、なんかあったような、、、」
(マックとか吉野家とかじゃダメですよね??)
女子「へぇ美大なんですか?あたしピカソ好きなんです。」
ダブ「そうなんだ、、、、い、いーよね、、、、」
女子「どういうのが好きなんですか?」
ダブ「うーん。。ぇ~と。。。」
会話は弾まない。・。・
質問があるたびにうまく返せず押されてゆく。
ダメだ・・・
一緒にいればいるほど僕は思い知らされる。
女の子との話題を持っていない分際でナンパなんて!!!!
美味しいものを食べに行き、お洒落なお店で雰囲気を楽しんだり、
女の子にとってそーゆーのがデートだということも知らなかったし、
そういう遊びを全く知らない。
せいぜい
手を繋ぐとか自転車の後ろに横座りで二人乗りとか一緒に下校するとか、
いうイメージしかない僕。
盛り上がらぬまま帰ることに。。。
それでも分れ際、一生懸命電話番号を聞く。
だが教えてくれそうにない。
こーゆー時の押しはWの得意分野。しつこく聞いている。
僕には出来ない・・・嫌われたくないから自分から引いてしまう小心者なのだ。
(今日始めてあって今後二度と会わない相手に嫌われたくないもないだろっ!!
その意気地なさがダメなんだーー!!)
なんとか彼女ともう一度会うチャンスが欲しい!がんばれW!
「じゃあこっちからかけますからそっちの電話番号ください」
・・・!! やったぁあ! それでも十分だぁぁああ☆
確かにいきなり番号教えるのは抵抗あるよね♪
親とかに出られたらやだろうし。女の子だものな。
でもこの出会いを無にしないように、
都合のいい時にかけてくれるんだ、きっと。
僕は自分の電話番号を紙に書いて渡した。
ホクホク顔での帰り道、頭ん中はてふてふが飛んでいる。
(二人でのデートは何処に誘おう♪
よぉーっし、彼女からの電話がかかって来るまでにデートスポットなど色々勉強だぁー!
お洒落なお店。
そしてその後のコースも調べとかないとネ☆ フフフ。。。)
だが、 何か月待っても
電話はかかって来なかった ・・・しくしく